LMDhに1年遅れて参戦するアルピーヌ……しかしこの1年遅れが逆に有利に「ライバルたちが我々のためにシステムを開発してくれている。満足だ!」

アルピーヌはLMDhマシンを、ライバルよりも1年遅れた2024年に登場させる予定だ。本来ならこの遅れはデメリットになるようにも思えるが、同チームのラピエールは、この遅れが有利に働くのではないかと考えている。

Detail Alpine A480 LMP1

 世界耐久選手権(WEC)とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権(IMSA)の最高峰クラスに参戦可能なマシンとして、新たに制定されたLMDhマシン。2023年シーズンから複数のメーカーがこのLMDhマシンでの参戦をスタートさせるが、アルピーヌは1年遅れの2024年からLMDhマシンを登場させる予定。同チームのドライバーを長く務めるニコラス・ラピエールは、この1年の遅れが、有利に働く可能性があると考えている。

 アルピーヌは現在、LMDhマシンの開発に取り組んでいるが、オレカのLMP2マシンをベースにしたマシンは、2024年まで準備が整わない予定だ。

 LMDhマシン1年目の2023年から参戦をスタートさせるポルシェやキャデラック、BMW、アキュラから1年遅れで参戦をスタートさせることは、普通に考えれば大きな痛手となるように思われる。またそれだけではなく、WECでは同じハイパーカークラスにLMHマシンで挑むことになるトヨタやプジョー、フェラーリなどを追いかける必要もある。

 ただLMDhマシンを準備中の各チームは、ボッシュ製の電気モーターやウイリアムズ・アドバンス・エンジニアリング製のバッテリー、Xtrac製のギヤボックスなどで構成される標準ハイブリッドシステムに問題が発生したことで、後退を強いられている。

 問題はコンポーネントだけに留まらず、各メーカーがそれぞれ用意するパワートレインと統合する方法にもある。

 アルピーヌのドライバーであるラピエールは、1年遅れでLMDhに参戦することを心配していないと語る。

「2023年末までには、現在よりも確実に、準備が整う共通パーツがたくさんある。そういう意味ではメリットが多くあると思うよ」

 そうラビエールはmotorsport.comに対して語った。

「変更できない、新しい共通部分がたくさんある。それが、LMDhを実行する上での欠点だ」

「確かにLMDhは、LMP1やLMHよりもはるかにシンプルだ。でも、対処しなければいけない共通パーツがいくつかあり、それを利用できるようにするため、テストはとても重要だ。良い方向に進んでいるとは思うけど、時間はかかっている」

「チームは多くの経験を積むことになるだろう。そしてオレカは、アキュラのシャシーも手がける。だからこれらのことから、僕らが恩恵を受けられることを願っている」

「それから準備の面でも、少し時間を得られることになる。新しいエンジンだし、新しいクルマだ。やることはたくさんあるから、タイミングは良いと思う」

「ル・マン24時間レース100周年となるレースに出られないのは少し残念だ。素晴らしいイベントにはなるだろうからね。でも結局は、2024年に戻ってくるというのが、タイミング的にもちょうどよかったんだ」

 アルピーヌのLMP1マシンA480の後継となるLMDhマシンの名前、そしてその心臓部となる内燃エンジンの詳細は、まだ明らかになっていない。しかしアルピーヌのエグゼクティブ・ディレクターであるブルーノ・ファミンは、エンジンは既にテストベンチで動いていると語り、さらに次のように付け加えた。

「我々は非常に満足している。ライバルメーカーが、我々のためにボッシュのシステムを開発してくれているんだからね」

 また、LMDhマシンをいつ初走行させるかということも明らかにはしていないが、すでに全ての計画は整っているとファミンは言う。

「通常のマイルストーンを全て通過していく必要がある」

 そうファミンは説明した。

「とても重要なマイルストーンやトピックは、現時点ではない。しかし我々は、プロジェクトの計画やタイムラインに従って考えている」

「我々はすでにエンジンのテストを始めており、エンジンとシステムの統合についても、開発を進めている。ボディワークやシャシーも、オレカと共に開発しているんだ」

「タイムラインに従って、全てのことが動いている。それ以上のことはないよ」

 なおアルピーヌの他に、ランボルギーニも同様に2024年からLMDhマシンを登場させる。こちらはリジェ・オートモティブと共同でマシンを開発。先日はドライバーラインナップに元F1ドライバーのロマン・グロージャンが加わることが発表された。

 
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