ハミルトン、F1初テストで見せた”大器”の片鱗。デ・ラ・ロサが当時を振り返る
ペドロ・デ・ラ・ロサは、ルイス・ハミルトンが初めてF1マシンに乗った際、すぐに素晴らしい才能を持っていると感じたという。
写真:: Gareth Bumstead / Motorsport Images
F1チャンピオンに輝くこと6回、今や押しも押されぬスタードライバーとなったルイス・ハミルトン。彼が初めてF1マシンに乗った際に居合わせたペドロ・デ・ラ・ロサは、すぐにその才能に気づいたという。
2006年にGP2のタイトルを獲得したハミルトンは、シーズンが終了した直後の9月にシルバーストンで行なわれたF1合同テストにマクラーレンから参加。初めて本格的にF1マシンを走らせた。
この年、マクラーレンはキミ・ライコネンとファン・パブロ・モントーヤを起用していたが、シーズン途中にモントーヤがチームを離脱。テストドライバーだったデ・ラ・ロサが代わってレギュラードライバーを務めていた。
2006年シーズン開幕を前に、フェルナンド・アロンソが2007年からマクラーレンのレギュラードライバーになることが決定しており、さらに合同テスト直前にライコネンのフェラーリ移籍も決定。シルバーストンでのテストが、アロンソのチームメイトを決める”オーディション”の様相を呈していた。
この合同テストを振り返ったデ・ラ・ロサは、ハミルトンの2回目の走行で、彼に対する見解がガラッと変わったと語った。
「僕の心が変わったのは、その時だ」と、デ・ラ・ロサはF1公式ポッドキャストで話した。
「僕たちは2台のクルマを用意してテストをしていた。彼(ハミルトン)にとって、それが初めての(本格的な)F1マシン体験だったんだ」
「当時、僕のレースエンジニアであるフィリップ・プリューと彼のデータを見ていたのを覚えている。フィリップが僕に、こう言ったんだ。『ルイスは、数年間に渡って多くの改善をする必要がある。彼にとっては長い道のりだ。彼は素晴らしいドライバーになるだろうが、我々は彼に時間を与える必要がある』とね」
「僕もそうだと思っていた。それから僕もクルマに乗り込んでコースに出て、そしてピットに戻って来てタイムを見たんだ。そうしたらルイスがファステストだった」
「ご存知のように、彼はまだ2回目の走行だったんだ! 僕はデータを見て、『何があったの?』と聞いた。チームのみんなは、『ルイスにニュータイヤを与えたんだ』と答えた」
「データを調べると、彼はコプスやべケッツ、マゴッツといった高速コーナーを非常に速く通過していたのが分かった。僕はそこで、ルイス・ハミルトンのポテンシャルを実感した。たった数秒データを見ただけで、僕は大きな問題に直面していることに気づいたんだ」
デ・ラ・ロサは、アロンソのチームメイトとしてハミルトンが選ばれることがすぐに分かったものの、それについて苦々しい思いは感じなかったという。
「彼にとって初めてのF1テストであり、セカンドランだったんだ。僕は彼がとても速いということを実感した」
「僕は数多くのドライバーを見て来たし、非常に優れたドライバーと共に過ごして来た。僕はそれを非常に光栄に思う。でもルイスを見た時、『ワオ、彼は特別だ』と思った。フェルナンドがマクラーレンと契約したのは知っていたし、シーズン終了後にレースカーに乗っているのはルイスだろうと思った」
「でも僕はそれに満足していた。もし僕がロン(デニス)やマーティン・ウィットマーシュの立場だったら同じ決定をしていたと思うからだ。ルイスは信じられないほど速いし、みんな知っているようにフェルナンドも物凄いドライバーだからね」
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