フレキシブルウイングの規制遅れに批判続く。マクラーレン「受け入れられないコト」
マクラーレンF1のアンドレアス・ザイドル代表は、F1のフレキシブルウイングに対する検査規制の強化が遅れていることに強い不満を示している。

F1は第4戦スペインGPにおいて、定められた耐荷重テストをクリアしつつも、高速走行時に角度が変わり空気抵抗を減少させるリヤウイング、いわゆる“フレキシブルウイング”を使用しているチームが存在するという指摘がなされた。
こうした指摘を受け、FIAは第7戦フランスGPから耐荷重テストを強化することを決定。ただ第5戦モナコGPと第6戦アゼルバイジャンGPに関してはこれまでの設計が有効となり、アドバンテージを得ることができてしまうため、チーム側からは不満が噴出している。
ルイス・ハミルトンが『レッドブルのマシンのリヤウイングは動く』と指摘したことで大きく注目を集めたこの問題。メルセデスは検査強化が遅れることに対して強く不満を表明していたが、マクラーレンも同じように不満を抱いており、“受け入れられないこと”だと主張している。
「我々はFIAによる技術指令という反応を歓迎しているし、基本的な内容に満足している」
マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表はそう語る。
「我々が強く反対しているのは、規制実行の時期だ。なぜなら我々からすれば、明らかにレギュレーションに違反していても、アドバンテージを持てることについての理由が無いからだ」
「彼ら(フレキシブルウイングを使用しているチーム)は既に複数のレースでアドバンテージを得ているから、我々は不満を抱いている。しかし今、彼らはこの先数レースでさらにアドバンテージを得ることができる。これは明らかに我々としては合意しかねるもので、FIAとは話し合いを行なっている」
「我々はFIAが強力な手腕を発揮することを望んでいる。単純に我々からすれば、レギュレーションを守るチームが大きな不利を被るというのは、受け入れられないことだからだ」
フレキシブルウイングに関してはレッドブルがその槍玉に上げられているが、フェラーリやアルピーヌ、アルファロメオなども同じようなモノを使っているのではないかと言われている。
ザイドル代表は特定のチーム名を出すことは控えたが、映像を確認すればどのチームがフレキシブルウイングを使用しているかは明らかだ、と語っている。
「現時点で名前を出す気はない」
「チームがレギュレーションを遵守し、フェアな競争が行なわれるかどうかは、FIAにかかっている」
「だがその名前も既に言及されているし、分析もされている。リヤウイング、メインフラップ、エンドプレートがどうなっているかを確認できるよくできた映像が、YouTubeに既に投稿されている」
またザイドル代表は、フランスGPまでは検査が強化されない一方で、統括団体であるFIAがレギュレーション違反の可能性を疑っているという事実から、次戦以降ライバルに抗議を行なう道は開けているとも指摘している。
「大体の場合において、私は他のチームやクルマなどについて抗議することはあまり好きじゃない」
抗議の可能性について訊かれたザイドル代表はそう語った。
「先程も言ったように、我々はFIAと対話を行なっている。バルセロナで目にしたようなことを行なえるパーツや装置を、今後使えないようにするために彼らがどういった措置を取るのかという点でね。その後、我々も考えることになる」
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