本当はコーナーで抜きたいけど……ハミルトン、DRSは“今後もF1に残る”と語る
ルイス・ハミルトンは、2021年に大規模なルール変更が行われた後でもDRSは残ると考えているが、コーナーでもオーバーテイクできるようなマシンが完成することがベストだと語った。


2011年に導入されて以降、今もF1にとって欠かせないシステムとなっているDRS(ドラッグ・リダクション・システム)。これは前車とのギャップが1秒以内であれば、ストレートなど特定の区間でリヤウイングのフラップが開き、空気抵抗が減ることでトップスピードが上がるというものだ。
DRSはF1におけるオーバーテイク増加に貢献し、現在ではDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)でもDRSが採用されている。
F1は2021年に大規模な規則変更を予定しており、現在よりも先行車を追いかけやすいマシンを生み出すことを目指して研究が行われている。しかしながら、DRSは残すべきであるという提案が既になされているようだ。
DRS導入後のF1で最もタイトルを獲得しているのはルイス・ハミルトン(メルセデス)だ。彼はDRSが今後もF1で使われ続けると考えている。
「おそらく、それはF1の一部としてしばらくの間残り続けるだろう」とハミルトンは語った。
「2021年に(DRSが)残るかどうかは分からないけど、僕個人としては残るだろうと思っている」
「ただ、ウイングは今後ますます大きくなっていくだろうし、うまくいけば前のマシンについていきやすくなるだろうから、DRSは必要なくなるかもしれない」
「今は(DRSを使って)ストレートの途中でオーバーテイクしている。もちろんそれはエキサイティングではないし、やっぱりコーナーでオーバーテイクをしたい」
「でもDRSがなくなるかどうかは、そんなに気にすることではない。とにかくその時にできる最大限の方法でポジションを上げていかなければいけないんだ」
通常、各GPではオーバーテイクの機会をできる限り演出するために、ふたつから3つのDRSゾーンが設けられるが、鈴鹿サーキットで行われた日本GPではDRSゾーンはホームストレートのひとつだけだった。ハミルトンはスプーンカーブと130Rの間にあるバックストレートにふたつめのDRSゾーンを追加するべきだったと主張していた。
「週末になって、DRSがひとつしかないことに気付いた。それは良いアイデアだとは思わない」
「それが(多くのオーバーテイクを)演出すると思うから、DRSゾーンはふたつあった方が良いと思う」
「オーバーテイクするチャンスを得るには、(乱流の影響を受けないよう)前を行くマシンに対して一定の距離を保つ必要がある。ここ(鈴鹿)では特に距離をとる必要があるから、オーバーテイクがあまり見られないんだ」
ハミルトンは、日本GP決勝終盤にセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に迫った。メインストレートではDRSを使ってベッテルに迫ったものの、バックストレートでは逆に離される展開に。結局ハミルトンはベッテルをオーバーテイクできず3位でフィニッシュした。
ハミルトンの言う通り、鈴鹿サーキットのバックストレートにふたつめのDRSゾーンがあれば、より多くのオーバーテイクが生まれていたかもしれない。
最新ニュース
シュバルツマン、フェラーリからF1公式セッションデビューへ。ライセンス変更でFIAのロシア籍排除を回避
フェラーリでテストドライバーを務めるロバート・シュバルツマンが今季、フェラーリから2度に渡りフリー走行を走ることとなった。
「これは我々からの意思表示だ」とレッドブル、メルセデスからの人員引き抜きを説明。PU部門の強化進める
レッドブルが直近のメルセデスからのPU部門スタッフの引き抜きについて説明。人員強化の他にも、PUメーカーとなるレッドブルの「意思表示」でもあると語っている。
フェラーリにとって戦略は”弱点”ではない? ビノット代表がチームの戦略部門を擁護する理由
2022年シーズンのF1前半戦は、フェラーリの戦略決定が非難を浴びることもあったが、チーム代表のマッティア・ビノットはこの状況に対して決して悲観的になってはいないようだ。