伝説再現……”スパ3ワイド”バトルを制したオコンの偶然の出来事「レース前にハッキネンに会ったんだ」
アルピーヌのエステバン・オコンは、F1ベルギーGPの決勝レースのケメル・ストレートで、2000年のミカ・ハッキネンを思い出させる”2台抜き”を演じた。実はオコンは、偶然にもレース前にハッキネンと会話していたという。

F1ベルギーGPの決勝レースで、アルピーヌのエステバン・オコンは、パワーユニット交換のペナルティにより16番グリッドからスタートしたものの、レース中に順位を上げ、7位入賞を果たした。
レース中オコンは、ケメルストレートでピエール・ガスリー(アルファタウリ)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)を一気に抜き去るシーンを演じ、話題となった。オコンは今回のレースのパフォーマンスについて「おそらく僕がチームに参加して以来、これまでで最高の週末」だと語ると共に、2台を一気に抜いた時の状況について説明した。
オコンはベッテルとガスリーを追う形で、35周目に入った。この時オコンは、ベッテルが早くガスリーを追い越すことになれば、ケメルストレートでDRSを使えなくなるだろうと考え、ラ・ソース(ターン1)から自らの動きを組み立てたという。そしてオー・ルージュで少しアクセルをオフし、差を広げてラディオンを駆け上がった。そして急坂を駆け上がったところで、一気に加速して前の2台を料理することを狙ったのだ。
「僕はDRSの検出ゾーンがある場所は分かっていたし、彼(ベッテル)がピエールを抜くのが早すぎて、DRSを使うことができない可能性があることを分かっていたんだ」
そうオコンは説明した。
「だから僕は少しスロットルを緩め、直線スピードを活かせるように少し間隔を広げた。そして驚いたのは、ピエールがDRSを使えるということだった」
「僕は左側に行くことができた。セブの動きはとてもフェアだった。彼は左のスペースを閉じることもできたけど、そうしなかった。そして僕は、ターン5(レ・コンブ)でピエールをアウト側から抜くことができたんだ」
ベッテルはDRSを使えない状況について、「素手で戦っていたようなもの」と表現。オコンの勢いの前には、為す術ははなかったと語った。
真ん中にベッテル、右にガスリー、そして左にオコンというケメルストレートでの攻防は、2000年に起きた伝説のバトルと状況が酷似しており、大きな話題となっている。
当時、タイトルを争っていたミハエル・シューマッハー(フェラーリ)とミカ・ハッキネン(マクラーレン)が、シーズンを通じて激戦を展開した。ベルギーGPでは、ハッキネンがシューマッハーを追いかける展開。そしてケメルストレートでは、ハッキネンがシューマッハーに急接近……しかしながら前には、周回遅れのリカルド・ゾンタ(BAR)がいた。シューマッハーはゾンタを避けるように左に進路を取ると、ハッキネンは右のスペースを選択……結果ハッキネンがシューマッハーとゾンタをまとめて交わし、伝説のシーンが生まれたのだった。
今回のレース後、ガスリーとベッテルをまとめて交わしたことを受け、最近2000年のベルギーGPをビデオで見たのかと尋ねられたオコンは、レース前にハッキネンと会話していたことを明かした。
「ミカはレース前にパドックに来て、話しかけてくれたんだ! すごい偶然だよね」
オコンはそう語った。
「とても楽しかったよ。今回のレースは本当に楽しめた。マシンはストレートですごく速かったから、オーバーテイクのタイミングを正しくマネジメントすることができた」
「スタートは16番手か17番手だったと思う。1ポイント獲得できればいいなと思っていたけど、結局は6ポイントも手にできた。だから間違いなく良い結果だと思う」
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