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F1界にも“Zoom”の波。ビデオ会議の導入は何をもたらしたのか?

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F1界にも“Zoom”の波。ビデオ会議の導入は何をもたらしたのか?
執筆:
, Grand prix editor
2020/06/09 11:29

コロナ禍による在宅ワークに欠かせないツールとして広く普及したビデオ通話アプリ『Zoom』。これはF1界でも導入され、想像以上に高い貢献度を見せている。

 世界中で新型コロナウイルスが流行したことにより、多くの企業がオフィスに出勤せず在宅勤務を行なうようになった。その中でビデオ通話アプリの『Zoom』は非常に重宝され、各国政府の重要な会議などにも使われただけでなく、友人同士が交流する場としても使われるなど、実に幅広い用途で普及した。

 ZoomはF1の将来を決定付ける上でも重要な役割を果たした。パンデミック後の状況を確認するため、F1関係者たちはZoomを使ってそれぞれの自宅から話し合いを行ない、F1を変えるための決断をしたのだ。

 これはF1の政治面においても興味深いものだと言えた。これまで発言にあまり耳を傾けられなかったチームが、声を上げられるようになったからだ。ウイリアムズのチーム副代表であるクレア・ウイリアムズは、Zoomでの会議を高く評価している。

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「私はこういった会議に出席するただひとりの女性です。そこにいる男性の数を数えると大体30人くらいいて、私はいつも端の方に追いやられて発言することができません」

 そう彼女は言う。

「でもZoomはそれぞれが手を挙げやすいように出来ています。議長であるFIAのニコラス・トンバジスがうまく場を回してくれていて、『手を挙げる』機能を使わない限りは発言ができないようになっています」

「ニコラスは手を挙げた順に発言権を与えます。私はまだ少し緊張していましたが、手を挙げる必要があったので、そうしました。すると彼が『では次はクレアの番だ』という風に言ってくれるんです」

「(Zoomの会議では)通常の会議のように誰かがそのまま話を続けたり、途中で口を挟んだりはできません。全員がその人の話に耳を傾けなければいけない状況ができるので、私はこういった会議で発言ができるようになりました」

 F1のチーム代表が直接会って行なった最後のミーティングは、オーストラリアGP開幕直前に新型コロナウイルス感染者が出たことを受けて、ホテルで行なわれた短いミーティングだ。そこでの話し合いの結果、オーストラリアGPは中止されることとなった。

 それ以来、各チーム代表はシーズンを再開させるための話し合いにとどまらず、今後F1を持続可能なものにしていくための基盤作りに関しても取り組んできた。

 これらは通常、ビデオチャットで行なわれるような小さな話題ではない。しかし、新技術規則導入の1年後ろ倒し、空力ハンディキャップシステムの導入、そして来季の予算上限額の大幅引き下げまでもが、Zoom会議を通して合意されたのだ。

 クレア・ウイリアムズはさらにこう続ける。

「(Zoom会議は)非常に生産的でした。このスポーツの将来に多大な貢献をしましたし、私たちが必要としているものを導入することができました。そのおかげで私たちはチームとしての健全な未来を手にすることができています」

「FIAとF1が素晴らしい仕事をしてくれました。オーストラリアから(ヨーロッパに)戻って会議を始めた当初は、Zoomで4〜5時間という非常に長い時間話し合いを続けていました」

 ハースのチーム代表であるギュンター・シュタイナーも、Zoom会議によってチーム間での協力体制が強化されたと感じているが、一方でZoom会議においても政治的駆け引きの要素は残っていると示唆した。

「皆、誰かの何かしらの弱みを握ることがある」とシュタイナーは語った。

「彼らが騙し合いをしているなんて言うつもりはない。誰しもそんなことはしたくないはずだし、皆が自分の見聞きしたことを使って最善を尽くそうとしているだけなんだ」

「駆け引きのようなものは少しある。誰もが色んな知識を携えて会議に出席するし、その中で最も賢い人間になろうとするからだ」

「ただ私は公平で実のある議論が行なわれてきたと思っている。FIAも全てにおいて妥協点を見つけ出すことに尽力した。骨の折れる仕事だったと思う」

■サインツJr.がオンラインで見せたマクラーレンへの献身

Carlos Sainz Jr., McLaren

Carlos Sainz Jr., McLaren

Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images

 チーム代表たちがビデオ通話によって行なってきたものはこれだけではない。例えばカルロス・サインツJr.が2021年からフェラーリに加入することが決まった時も、その合意は握手によってではなく、オンライン上で行なわれた。

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 サインツJr.のフェラーリ加入は、セバスチャン・ベッテルの離脱が合意に至るまでは確定していなかった。サインツJr.はその間にも、マクラーレン首脳のザク・ブラウン(CEO)やアンドレアス・ザイドル(マネージングディレクター)に対して、フェラーリとの交渉が進んでいることを明かしていた。

 サインツJr.はマクラーレンに自分の状況を知らせることで、マクラーレンが彼に示した信頼に最低限報いようとしたのだ。彼はF1の公式ウェブサイトに向けて次のように語っていた。

「僕はマッティア(ビノット/フェラーリ代表)、ザク、そしてアンドレアスと電話で話していた」

「もちろんZoom会議も何度かした。とにかく僕にとって重要だったのは、これに関わる全ての当事者に対しての透明性だった」

「そして何も厄介ごとを作らないようにすることも重要だった。円滑に物事が進んだことは非常に満足しているし、誇りに思う。そしてザクとチームにも感謝している」

 例えそれが別れ話であったとしても、サインツJr.がブラウンとザイドルに自身の決断を伝えたことは、彼らの間に緊張や不和を生まなかったという点で非常に大きな意味があったと言える。

 その時のチームの反応について、サインツJr.は次のように語っている。

「彼らは納得してくれた。そして僕のことを祝福してくれて『カルロス、君はよくやった。向こうでも素晴らしいことを成し遂げられるさ』と言ってくれた。そういう言葉をチームのボスから聞けるのはいつだって励みになることだ」

■Zoom会議が“未来のスタンダード”になるのか?

Claire Williams, Deputy Team Principal, Williams Racing

Claire Williams, Deputy Team Principal, Williams Racing

Photo by: Erik Junius

 Zoom会議には従来の会議にはなかった新たな側面が他にもいくつかある。

 カメラには上半身が映し出されるだけなので、会議の進行中にもオンライン上で誰かと秘密裏にやり取りをすることができる。さらにこっそり食事を取ることもできるのだ。

 クレア・ウイリアムズは次のように語る。

「誰と会話しているかは言いませんが、合間に数人とメッセージのやり取りをしているのは間違いないですね」

「どうやったら気付かれずにトイレに行けるかなどを考えることもあります。でも私にはカメラをミュートにしたりする方法が分かりません」

「膝に毛布などを敷くこともできますよね。だから私は皆さんのように格好良いシャツを着てスマートに見せながらも、膝にはブランケットを敷いていて、側にはお菓子があります。最高ですね!」

 F1は7月5日にオーストリアで開幕することが決まっており、そこからシーズンは急速に進んでいくことになる。しかしパドックが通常の機能を取り戻し、対面での会議が当たり前のように行なわれるまでには、まだ時間がかかるだろう。

 F1タイヤサプライヤー、ピレリのカーレース責任者であるマリオ・イゾラは、ビデオ会議の流行によって、F1の政治により効率的なアプローチができるようになると考えている。

「数ヵ月前まで、技術グループや競技グループの会議は全て特定の場所で開催されていて、人々はそこに行かなければいけなかった」とイゾラは言う。

「会議のために、イタリアやスイス、イギリスやアメリカなど、様々なところから人が集まるんだ。でも我々は今たくさんの会議をビデオ会議で行なっており、とてもうまくいっている」

「朝から出発して会議のために1日かけて移動するのと比べると、こちらの方が柔軟性がある。だから将来的にも続いていくかもしれない」

「このシステムの導入によって我々は多くの時間を節約している。インターネット環境があればこんなにうまくやれるんだ。これを使わない手はないよ」

「おそらくそれが、ビデオ会議から学んだポジティブなことだ」

 

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この記事について

シリーズ F1
執筆者 Luke Smith