F1 オーストラリアGP

マクラーレン、テクニカルディレクターの”クビ”によってチームのポテンシャルが解放される?「これまでは限界があった」

マクラーレンF1チームのアンドレア・ステラ代表は、新たな技術体制が充分に活用できていなかったリソースを「解き放つ」と語っている。

Adam Cooper

Adam Cooper

公開日時: 2023/04/07 7:25

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

Andrea Stella, Team Principal, McLaren

 マクラーレン・レーシングは2023年シーズン第3戦オーストラリアGPを前に、テクニカルディレクターを務めたジェームズ・キーの離脱を発表。今季からチーム代表に就任したアンドレア・ステラ直下に、新体制として部門別に3名のテクニカルディレクターを敷くこととなった。

 スクーデリア・フェラーリから合流することとなる大物エンジニアのデビッド・サンチェスが「車両コンセプト&パーフォーマンス担当テクニカルディレクター」、ピーター・プロドロモーが「空力担当テクニカルディレクター」、ニール・ホールディが「エンジニアリング・デザイン担当テクニカルディレクター」を務めることとなる。

 ステラは、以前の体制では特にプロドロモーの貢献が制限される状態にあったと示唆した。

関連ニュース:

「あの体制では、何らかの制約があったと思う」

 そうステラは言う。

「空力部門では、空力をリードするテクニカルディレクターを置きたいと考えていた。このテクニカルディレクターに全権を委ねることになる」

「そして、社内にある非常に強力なリソースを解放したかったのだ。F1で最も有能な空力専門家のひとりでありながらも、活用されてこなかったピーター・プロドロモーのようにね」

「本来あるべき姿ほど効率的には行なわれてこなかった。我々はここを直したかったのだ」

「同時に、強力で明確なリーダーシップを与え、我々が開発してマシンに反映させたいコンセプトについて明確な指針を示すことができるため、この体制は完全に状況と合致している」

 またステラは、マシン改善に向けて、科学と常識を組み合わせることに焦点を当てたと強調している。

「この体制は、パフォーマンスに対するアプローチも重要な要素だ」と彼は言う。

「科学的な根拠を持つという点で、我々は改善したいと思った。しかし、同時にF1はスピード感が重要なスポーツだ。もちろん、速度も速いがね」

「時には現実的で、冷静な常識を活用する必要がある。以前はそれがあまり得意ではなかったように思う」

「そしてもうひとつ、我々が改善したかったのは権限移譲だ。空力部門にはシニアスタッフがいるが、彼らが専門性を発揮し、自分たちで意思決定できるようにする必要があったのだ」

「そうすることで、チーム全体がより素早く動けるようになる。このことは、体制という観点からも特に再編成やリーダーの任命を通じて取り組む必要があったのだ」

Lando Norris, McLaren MCL60

Lando Norris, McLaren MCL60

Photo by: Zak Mauger / Motorsport Images

関連ニュース:

 そしてステラは、キーの技術的リーダーシップの下では、アイデアに限界があったことを示唆した。

「F1での意思決定に関しては誤解があると思う」とステラは言う。

「F1では、常に誰かしらが意思決定を行なっているとみんなは考えているだろう。しかし実際は、競争力のあるアイデアを生み出すことの方がはるかに重要で、それが自然な意思決定に繋がる」

「これが、マクラーレンの将来的な理想像だ。誰かが全ての決定を下していて、自分たちの手元には競争力のないアイデアしかないという形にはしたくはなかったのだ」

「あるいは、実際に責任者を務める者が、グループが生み出すアイデアのレベルやクオリティに制限を設けてしまうようなことは避けたい」

 テクニカルディレクターだけでなく、技術部門の刷新に向けて他チームから多くの人材を囲い入れているマクラーレンだが、注目のサンチェスはフェラーリ離脱後の”ガーデニング休暇”によって来年1月までチームに合流できない。そのため、それまでは暫定的な体制で技術部門を動かすことになるということをステラも認めている。

 その一環として、マクラーレンはチームに長年在籍していたニール・オトリーをF1部門に呼び戻している。

「この空席を補うために、いくつかの対策を立てている」とステラは言う。

「車両パフォーマンスグループ、その他のパフォーマンス分析、レースエンジニアリング能力などにおいて、デビッドに報告するグループがある。彼らはコンセプトやパフォーマンス分析に貢献するという点で、ステップアップしていく」

「私自身は、マシンコンセプトの観点からテクニカルエグゼクティブをサポートすることに、より深く加わっている。そしてこの過渡期をサポートするために、ニール・オトリーを配属した」

「マクラーレンには、より強力なリソースがある。短期的にもこれらのリソースを少し戦術的に使うつもりだが、長期的には戦略的な基盤になるのは明らかだ」

 

関連ニュース:

あなたの意見が聞きたい!

Motorsport.comで何を見たいですか?

5分間のアンケートにご協力ください。

- Motorsport.comチーム

関連ニュース :

記事をシェアもしくは保存

Copy link

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

WhatsAppでシェア

Linkedinでシェアする

Pinterestでシェアする

Viberでシェア

前の記事 2008年中に”クラッシュゲート”の存在を知っていたFIA……しかし行動を起こせなかった理由

次の記事 3連続表彰台のアストンマーチンは2番手、3番手チーム? チーム代表は「結論を出すのはまだ早い」と未だに慎重姿勢

More from

Adam Cooper



アストンマーティン、今季もトップグループに復帰できたとチーム代表自信「メルセデスより前にいられたのは励みになる」

F1

F1

日本GP

2024/04/15

アストンマーティン、今季もトップグループに復帰できたとチーム代表自信「メルセデスより前にいられたのは励みになる」



鈴鹿で良いとこなしのアルピーヌ、その一因は“同士討ち”。ガスリーはアップデートには手応えも「できるだけ早く次のモノを投入しないと」

F1

F1

日本GP

2024/04/12

鈴鹿で良いとこなしのアルピーヌ、その一因は“同士討ち”。ガスリーはアップデートには手応えも「できるだけ早く次のモノを投入しないと」



F1参戦承認はまだだけど……アンドレッティ、イギリス・シルバーストンに新ファクトリーを正式オープン

F1

F1 2024/04/11

F1参戦承認はまだだけど……アンドレッティ、イギリス・シルバーストンに新ファクトリーを正式オープン

More from

マクラーレン



ピアストリ「タイヤのパンクが、結果的に助けになった」シンガポールはハミルトン抜き5位

F1

F1

シンガポールGP

10 時間前

ピアストリ「タイヤのパンクが、結果的に助けになった」シンガポールはハミルトン抜き5位



ノリス、土曜日の”致命的ミス”でこってり絞られた? 「もうあんなことしない……チームを失望させた」と態度変える

F1

F1

シンガポールGP

1 日前

ノリス、土曜日の”致命的ミス”でこってり絞られた? 「もうあんなことしない……チームを失望させた」と態度変える



マクラーレン代表、シンガポールGPスプリントでの同士討ちに憤慨「チームの利益以上に重要なことはない。奴らに改めてそれを伝える!」

F1

F1

シンガポールGP

3 日前

マクラーレン代表、シンガポールGPスプリントでの同士討ちに憤慨「チームの利益以上に重要なことはない。奴らに改めてそれを伝える!」

最新ニュース



多種多様なGT300クラスで、公正なタイヤ供給という難題。来季ワンメイクサプライヤーのダンロップに聞く「考え方はシンプルです」

スーパーGT

SGT スーパーGT 9 時間前

多種多様なGT300クラスで、公正なタイヤ供給という難題。来季ワンメイクサプライヤーのダンロップに聞く「考え方はシンプルです」



優勝争いの7月から一転、10月富士では大苦戦。悩める牧野任祐「グリップ感が全くない。何が起きていたのか分からない」

スーパーフォーミュラ

SF スーパーフォーミュラ

第9戦・第10戦富士

9 時間前

優勝争いの7月から一転、10月富士では大苦戦。悩める牧野任祐「グリップ感が全くない。何が起きていたのか分からない」



ピアストリ「タイヤのパンクが、結果的に助けになった」シンガポールはハミルトン抜き5位

F1

F1 F1

シンガポールGP

10 時間前

ピアストリ「タイヤのパンクが、結果的に助けになった」シンガポールはハミルトン抜き5位



MotoGPライダー、ファンイベント欠席のペナルティに反発強める。ポイント剥奪などは「やりすぎ」

MotoGP

MGP MotoGP

インドネシアGP

12 時間前

MotoGPライダー、ファンイベント欠席のペナルティに反発強める。ポイント剥奪などは「やりすぎ」

Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.

フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。

次の 2 つのオプションがあります。

購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします

広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード

お知らせの管理

登録