WEC、LMP2クラスを廃しハイパーカーとLMGT3の2クラス制へ。ル・マン24時間ではLMP2のエントリーを15台確保
WECは2024年からル・マン24時間レースを除き、LMP2クラスを廃止。ハイパーカークラスとLMGT3クラスの2クラス制へと移行する。
写真:: Nikolaz Godet
WEC(FIA世界耐久選手権)は、2024年からハイパーカーと新設のLMGT3の2クラス制に移行。LMP2クラスは、ハイパーカークラスへのエントリー増加の犠牲となった形だ。
現在、計13台がハイパーカークラスにレギュラーエントリーしているが、2024年にはさらにランボルギーニやBMW、アルピーヌ、イソッタ・フラスキーニがエントリーを目指している。
WECのエントリーはピット施設などの都合もあって38台が最大だが、ハイパーカークラスは20台ほどにまで膨れ上がると見られている。
さらに2024年からはGTEクラスに代わって、GT3車両が戦うことになるLMGT3クラスも新設され、こちらも多くのエントリーが予想されているのだ。
一方で、最大62台がエントリーできるル・マン24時間レースでは、最低でも15台分はLMP2クラスのエントリー枠を確保するという。
シリーズのオーガナイザーであるACO(フランス西部自動車クラブ)の会長であるピエール・フィヨンは、次のようにコメントしている。
「LMP2は我々にとって非常に重要なカテゴリーだが、決断を下さなければならない。それが、ル・マンでは最低でも15台のエントリーを確保した理由でもある」
WECのフレデリック・ルキアンCEOは、この動きはヨーロピアン・ル・マン(ELMS)やアジアン・ル・マン(ALMS)といったシリーズを戦うLMP2マシンが、ル・マン24時間レースへ参戦するチャンスが増えることになると付け加えた。
「LMP2に関心がないわけではないということは、重要なことだ。ELMSとALMSのトップクラスであることにも変わりはない」
WECがLMGT3クラスのために確保するグリッド数はまだ確定していないが、既報の通り現在ハイパーカークラスに参加しているメーカーのエントリーが優先されることが確認された。また、各メーカーにはふたつのグリッドが割り当てられる予定だ。
LMP2は、2012年にWECが復活して以来、シリーズの主力カテゴリーとなっていた。
このカテゴリーは、2000年にACOによって設立されたLMP675クラスがルーツ。当初は、より重くハイパワーなLMP900(後のLMP1)と戦うために、メーカーが低コストでル・マン24時間の総合優勝を狙うためのものだったが、すぐにプライベーターチームの独壇場となった。
LMP2の性質が変わったのは、2017年にLMP2のシャシービルダーをオレカやリジェ、ダラーラ、ラリー/マルチマチックの4社に制限した時だ。
この4社は次世代LMP2車両の製造も行なう予定であり、ハイパーカークラスを戦うLMDh車両のベースにもなっている。
WECでは、2021年シーズン序盤まではまだオレカ製以外のLMP2車両の参戦があったが、それ以降は自然淘汰的にオレカがグリッドを制圧している。
WECではル・マン以外では見られなくなるLMP2車両だが、前述したELMSやALMSの他、IMSAウェザーテックスポーツカー選手権にも参加が可能。すでにユナイテッド・オートスポーツといったLMP2クラスの強豪チームが、IMSAに参戦することを表明している。
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