F1の“2デイ開催”に未来はあるのか? チームからは賛否両論
F1の各チームは、エミリア・ロマーニャGPで導入された2日間開催のフォーマットを今後も続けていくべきかどうかについて、意見が分かれている。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
イモラ・サーキットで行なわれたF1エミリア・ロマーニャGPは、初の土日2日間開催となった。というのも、1週間前にレースが行なわれたポルトガルからイモラまでは移動距離が長く、物流面での負担を軽減するためにセッションを土曜日から開始することにしたのだ。その関係で、通常90分、90分、60分と計3回行なわれているフリー走行も、90分1回のみとなった。
将来的には今回のグランプリのように、フリー走行の時間を減らして2デイ開催とすることが検討されており、エミリア・ロマーニャGPはそのテストとしてもよく機能したと言える。しかしこの短縮されたレースフォーマットに関してはパドックでも意見が分かれており、レーシングポイントのオットマー・サフナウアー代表はこれを「F1ではない」と形容した。
「ファンの視点に立って考えなければいけないが……果たしてファンはこういったフォーマットを気に入るだろうか?」とサフナウアーは言う。
「私自身は気に入るだろうと思っていたが、少し慣れない感覚だ。23年間、金、土、日と続くフォーマットでやってきたので、少し奇妙で不自然な感じがするよ」
「この週末を迎えるまでは、私はこれを完全に受け入れていたし、気に入るだろうと思っていた。しかし今では、これはF1にとって正しいことではないのではと不安な気持ちになっている」
サフナウアーは、こういった2日間のフォーマットが大規模チームに有利に働くと考えている。より多くのリソースを持つチームは、コースでの走行機会が制限され、データを十分に集められなかったとしても、その優位性を維持できる可能性があるからだ。
「ファクトリーのシミュレーションツールや技術が充実していれば、短縮されたフリー走行や予選に向けても十分な準備をすることができる」
「もしこれが将来的に起こるのであれば、我々は他のチームと同じように最適化するために、ファクトリーにインフラを整備し始めるだろう」
ウイリアムズの車両パフォーマンス責任者であるデイブ・ロブソンは、チームが走行時間の短縮に適応するのは「難しいことではない」と感じているが、エンジニアはできる限り多くの走行時間を維持したいと考えているはずだと語った。
「それは全てのチームに同じくらい影響を与えるものだから、このスポーツがそれを望んでいるのであれば、それほど大きな問題にはならないだろう」
ロブソンはそう語った。
「エンジニアは変化を嫌う。ただそれでもすぐに適応して、最大限の働きができるようになるとは思うので、我々の望むようなやり方であれば持続可能だ」
また、マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは2デイ開催を歓迎しているが、セッションが少なくなることによる商業的な影響を懸念している。
「我々は2日間のフォーマットを気に入っている。とてもコンパクトだよね」とザイドルは言う。
「土曜朝の90分間で自分たちが優位になれるようにするという挑戦は面白そうだ」
「しかし、これは最終的にF1が主導する議論だ。プロモーターやテレビ局など、様々な契約次第というところもあるだろう」
「もしそれが運営コストの節約に繋がり、メカニックやエンジニアが家を離れる日数を減らすのに繋がるのなら、それはポジティブなことだと思う」
そしてメルセデスを率いるトト・ウルフ代表は、走行時間が減ることによってチームの適応力が試されることに楽しみを見出しているようだが、ザイドル同様、商業的に全てのサーキットで通用するフォーマットではないかもしれないと述べた。
「私はとても気に入っているよ」とウルフは語った。
「とてもコンパクトだし、適応力が求められる。最初の段階からマシンをいいポジションに持っていく必要があるのだ。データを分析して、夜通しシミュレータを走らせるという時間はない」
「ただ全てのサーキットで通用するとは思えない。今後多くの観客を入れることを考えれば、3日間の方が合理的だ」
「全てのグランプリにフィットするとは思わないが、(イモラに関しては)うまく機能していたと思う」
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