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マクラーレン、カナダで実戦投入を見送った新型フロントウイングを、モナコで再び投入へ……その理由

マクラーレンは、カナダGPに持ち込んだアップデートのひとつである新しいフロントウイングを、同レースでは使わなかった。しかしその判断は、失敗を意味するものではない。

Lando Norris, McLaren

 F1カナダGPでマクラーレンは、大規模アップデートの今シーズン第二弾を投入した。このパッケージには、新しいフロントウイングに加え、エンジンカウルやリヤサスペンションのフェアリング、フロアエッジなどが含まれていた。

 しかしカナダGPはスプリントフォーマットでの開催。アップデートパーツを投入するには、フリー走行が1回しかないということもあり、リスクが伴う。結局ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは、フリー走行では新型のフロントウイングを試したものの、スプリント予選以降は従来の仕様に戻した。

 しかし新型のフロントウイングが失敗作だったというわけではない。

「次はちゃんと機能するようにしなければいけない」

 ノリスはレース後にそう語った。

「モナコで使うとは保証できない。でもテストを重ね、改善できるかどうかを確認する」

 実際にマクラーレンは、次のモナコGPで新型ウイングの評価を改めて行なう予定だ。しかしレースでは使わないという決定を下す可能性もある。これには、いくつかの理由がある。

 カナダでの唯一のフリー走行は、路面がまだ汚れている状態(F1マシンが走行する度に埃が舞い上がるほどだった)で、しかもわずか1時間のみの走行……実際の走行状況を比較する余地はほとんどなかった。グリップレベルも、セッション中に絶えず変化し続けた。

 ノリスはフリー走行中ずっと新型のフロントウイングを使ったが、ピアストリはセッション前半は旧仕様のウイングを使い、その後で新しいウイングに切り替えた。

 ノリスによれば、新しいウイングを装着した時、マシンに対する信頼感が薄れたのだという。カナダGPの舞台であるジル・ビルヌーブ・サーキットは、高速のストップ&ゴーのレイアウト。縁石に乗る方がタイムを稼ぐことができ、コンクリートウォールも近いため、ブレーキング時とコーナリング中にマシンを信頼できることがとても大切だ。

 また、シミュレーションで得られていたデータと、実際に走った時のデータがずれていた部分もあったという。フロントウイングは、マシンの中で一番最初に新鮮な空気に触れる部分であり、マシン全体の空力特性に大きな影響を及ぼす。そのため、データがずれている原因を理解するのは特に重要である。

「このフロントウイングには、空力的な観点から見て、何かしらのズレがあることは分かった」

 マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は語った。

「それで、我々はそのウイングをテストすることにした。さらにテストを重ね、より多くの情報を得たいと思っている」

「このタイプのサーキットでは、このウイングは確かに効果的だった。しかし、劇的な変化をもたらすほどではなかった。そのため、スプリントウィークエンドで使う前に、マシンに加えた変更の全容を把握し、より確実なモノにしたかったんだ」

「過去を振り返れば、我々はほとんどのアップデートを成功させてきた。しかし、あるイベントに持ち込んだアップデートが、そのイベントのためだけに導入されたとは限らない。時には、それはただ単に試験的なモノであり、開発ツールとの相関性を学ぶために投入したこともあった」

「だからこのウイングは、間違いなくモナコで再び登場するだろう」

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