メルセデス苦戦の原因はレーキだけじゃない?「彼らは現時点でうまくいっていない」とブランドル
マーティン・ブランドルは、F1マシンのレーキを巡る論争は、メルセデスに起きている本当の問題から目を逸らさせるようなものだと考えている。
Sergio Perez, Red Bull Racing RB16B, Valtteri Bottas, Mercedes W12
Andy Hone / Motorsport Images
F1開幕戦バーレーンGPを終えた段階で多くの者は、レッドブルが純粋な速さで最も際立っており、王者メルセデスは今季導入されたレギュレーションによって打撃を受けていると考えた。
今季からはダウンフォースの減少を目指してフロアの面積が減らされたが、この規則変更は“レーキ角”の大きいチームに有利に働いたと考えられている。レーキ角とはマシンを横から見た際の前傾角度のことだが、レッドブルのようにマシンが著しく前傾している“ハイレーキ”のマシンはフロア全体をディフューザーのように使ってダウンフォースを確保している一方、メルセデスやアストンマーチンのようにレーキ角をあまり付けずにフロアの面積を大きくしてダウンフォースを稼ごうとしていたチームは、フロア面積削減の影響をもろに受けてしまったと見られる。
実際アストンマーチンは、このルール変更によってハイレーキのライバルと比べて1周あたり1秒もパフォーマンスが低下したと主張している。
元F1ドライバーで現在はスカイスポーツの解説を務めるマーティン・ブランドルは、メルセデスの苦戦がレーキの問題だけでは完全には説明がつかないと考えているが、この苦境から立ち直るだろうと語った。
「レーキのことに目がいってしまいがちだが、メルセデスは現時点でそれほどうまくいっていないと思う」
ブランドルはそう語った。
「レッドブルとホンダは特にうまくいっているし、他にも何台か調子の良いマシンがある」
「レギュレーションの関係上、これまでのように毎回アップグレードをし続けることはできない。ただ、メルセデスはうまくまとめてくるだろう」
「(ルイス)ハミルトンとメルセデスは、今でも倒すべきコンビと言えるだろう」
またブランドルは、開幕戦で劣勢のハミルトンがレースを制したことを考えると、やはりメルセデスを過小評価することはできないといい、イモラで行なわれる第2戦でもメルセデスとレッドブルが僅差の戦いを繰り広げるだろうと予想している。
メルセデスはレッドブルを倒すために、イモラでより激しい戦いを強いられると思うかと問われたブランドルは、次のように答えた。
「彼らがレースまでに何をしてくるかにもよる。もちろん、今は変えられるものが限られているがね」
「メルセデスのことは過小評価していない。皆レーキの問題でメルセデスとアストンマーチンがどのくらい打撃を受けたかについてばかり話をしているが、私の記憶違いでなければ昨年の最終戦はレッドブルが圧倒していたのに、今年の開幕戦ではメルセデスが勝った」
「だから接戦になるだろうし、メルセデスもうまくまとめてくるだろう」
「バーレーンでのハミルトンは本当に素晴らしかった。でもイモラでは誰が一番になるのか分からないし、それがライブスポーツの素晴らしいところだ」
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