F1
マクラーレンF1のマシンに巣食う”持病”。問題は時代遅れの風洞施設にアリ? 「我々の限界と関係があるかも」とチーム代表
マクラーレンF1は、ここ数年のマシンに共通する弱点について、時代遅れのシミュレーション設備や方法論に問題があるのではないかと考えている。

Matt Kew
編集: 2023/05/22 16:04
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マクラーレンF1でチーム代表を務めるアンドレア・ステラ曰く、チームが使用してきたシミュレーション施設が時代遅れとなっていることが、近年のマシンに共有される”持病”を引き起こしているという。
というのも、マクラーレンは旧規定のマシンから同じ特性に悩まされているのだ。
F1は2022年シーズンからテクニカルレギュレーションが変更され、グラウンドエフェクトマシンが復活した。ただし、昨年の『MCL36』は2021年マシンと同様に、コーナー中盤でのハンドリングの予測不能さが指摘されてきた。
ドライバーのランド・ノリスは、今年の『MCL60』にも同様の不満を抱いており、ステラも路面のグリップが低いコンディションや、ドライバーがスロットルやブレーキから足を離した時にマシンが不安定になると語っている。
こうした持病がレギュレーション変更後も引き継がれていることから、ステラはマシン設計上の問題が、チームの方法論や風洞でコース上の状況を正確に再現できていないことに起因すると考えている。
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マシンのハンドリングに問題があるのはなぜか、との質問に対してステラは、空気抵抗の多さも指摘しつつ、次のように語った。
「このパターンは変わっていないと言わざるを得ない」
「以前、これが空力効率の問題だと話をしたことがある。ストレートでのタイムの失い方を見れば、空気抵抗が理由でロスしているのは事実だ」
「全体的に見れば、マシン特性を変えずにダウンフォースを増やせば、かなり速くなるはずだ」
「ただ、全体的にダウンフォースが大きく、かつ空気抵抗は少ないというアドバンテージを得るにあたっては、我々が改良中のインフラ設備が関係している可能性がある。コース上のコンディションというのは常に変化するものであり、それを風洞で完璧にシミュレートするのは難しいのだ」
メルセデスAMG F1の風洞施設。風洞モデルを覆う”アダプティブウォール”は、マシン回度やマシン形状によって、自在に形を変えることができる。
Photo by: Mercedes AMG
ステラがそう語るように、イギリス・ウォーキングにあるマクラーレンのファクトリー『マクラーレン・テクノロジーセンター(MTC)』では新たな風洞施設が完成。6月の稼働開始を目指している。
これまでマクラーレンは、ドイツ・ケルンにあるTOYOTA GAZOO Racing Europeの風洞施設に、新たなパーツをバンで輸送して実験を行なうという方法を取ってきた。
現在、マクラーレンの新風洞は正式稼働に向けてキャリブレーションを実施中。そのテスト音はステラのオフィスからも聞こえてくるという。
そしてこのインフラのアップデートによって、マクラーレンの持病が設備に起因するモノだったのか、明確な答えが得られると考えている。
「確かに、我々が使っている風洞は他の施設よりもさらに厳しい状況だが、もうすぐ利用できるようになる風洞では簡単になるし、高いレベルのモノになる」
「例えば、風洞の中に(測定方法の幅が広がる)アダプティブウォールがあることで、コース上のマシンで見られる現象をより良く表現できるからね」
「DNAと呼ばれるモノは、我々が長年使ってきた方法論の限界とも関係している可能性がある。レギュレーションが変わっても、オペレーションで同じことに直面しているのだ」
「(MTCの)風洞と、過去2年間使ってきた風洞を比較すれば、数カ月後にはもっと答えが分かってくるだろう」
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