フェラーリ、フランスGPで数年前からの“持病”が出た? サインツJr.「聞いてはいたけど、ここまでとは……」

F1フランスGPでタイヤを機能させられず苦戦したフェラーリ勢。カルロス・サインツJr.は、フェラーリ加入時からこの問題について聞かされていたという。

Carlos Sainz Jr., Ferrari SF21, Charles Leclerc, Ferrari SF21

 F1フランスGP決勝でフェラーリは、タイヤの扱いに極端に苦しんだ。5番および7番グリッドからレースをスタートさせた彼らだが、結局終わってみればカルロス・サインツJr.11位、シャルル・ルクレール16位と無得点に終わった。

 それから1週間。F1サーカスはオーストリアのレッドブルリンクに移動し、シュタイアーマルクGPとオーストリアGPの連戦を迎える。フェラーリはこの短い間に、フランスGPで苦しんだ問題について、ファクトリーで様々な調査をしたようだ。

「この数日間はとても興味深かったと言えるかもしれない」

 サインツJr.はシュタイアーマルクGPの木曜日にそう語った。

「この3日間、僕はマラネロで、直面している問題を解決するためにチームが大規模に調査を始めるのを目にしたんだ。ファクトリー全体が一体となって、全ての部門が、彼らの想像力と理論を活かそうとしているのを見るのは、とても素晴らしいことだった」

「中長期的、そして短期的な計画を立てている。短期的には、問題を軽減させようとしている。そして中長期的には、完全に解決するのが目的だ。だからこれは、興味深いプロセスになると思う。タイヤに関するこの問題について、少しずつでも回復していけたらいいね」

 サインツJr.は、昨年12月にフェラーリに加わった時から、このタイヤに関する問題を聞かされていたという。

「このチームにとっては、何年にもわたってそういう傾向があったようだ。12月にチームに加わった時、チームはこの問題について僕に話してくれた。でも、こんなことになるとは思っていなかった。今年はタイヤが変わったしね」

「でもバーレーンでの開幕戦以来、僕らが理解できていないことがマシンやタイヤに起きていることは明らかだった。それをすぐに感じたんだ」

「それ以来、どのレースでも僕たちの頭の中にあった。このフロントタイヤの限界がね。ポルティマオではそれがハッキリ分かったし、フランスGPでもそれをハッキリと見ることができた。それはかなり大きな問題だった。それについて何ができるのか、試してみるつもりだ」

 サインツJr.曰く、リヤに厳しいコンディションの方が、フェラーリにとってはバランスが取れるのだという。

「リヤに厳しい場合、ライバルに対してバランスが取れていると思う。しかし曇りがちだったり、雨が降ってそれが乾いていくようなコンディションなら、フロントタイヤにグレイニングが現れるんだ。そういう状況では、常にフロントタイヤが厳しい状況になってしまう。それが、僕らが弱点だと認識しているところだ」

「今週末、チームとしてはすでにいくつかのことを試みていて、少なくともそれが役立つかを確認している。そしてそれにはパターンがあるのか、それとも改善の兆候があるのか……それを確認するために実際にコースを走るのは非常に興味深い」

 チームメイトのルクレールも、過去から悩まされていた問題だと明かす。

「これは、僕らが以前から抱えていた問題だ。でも完全には解決できていなかった。でも明らかに日曜日(フランスGP)では、他のコースよりも激しい影響が出ていた。その理由を、正確に理解する必要がある」

「ただ、僕らは今回のことをチャンスと捉えている。なぜフランスで、他のコースよりも苦しんだのか……それはすぐに解決できると確信している」

「確かにチームにとっては難しいレースだった。でも今、解決策を見つけるため可能な限り懸命に働きたいという願望がある」

 レッドブルの2連戦で様々なことを試し、解決策を探っていく予定だとルクレールは語る。

「過去にも悩まされたことがあったけど、これほどまでではなかった。でも、実際にはペースやレースに影響を及ぼさないこともあった。つまり弱点になったことも、そうじゃない場合もあったんだ。でも先週の日曜日には大いに悩まされた。だから今すぐこれに対処する必要があるんだ」

「同じコースで2週連続で戦えることは、僕らにとっては大きなチャンスだ。使うコンパウンドはそれぞれのグランプリで変わるけど、それでも学ぶことができることがたくさんあるように感じる。とにかく、できるだけ雨が降らないことを願っている。残りのシーズンに向け、マシンに対して良い仕事ができるようにね」

「2台のマシンで別のことをするのか、まだ分からない。でも僕らは一所懸命働き、色々なことを試してみるつもりだ」

 

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