F1 日本GP

【コラム】角田裕毅がレッドブル入り。彼の野望「チャンピオンになる」ためには、避けては通れない”一歩”

角田裕毅がレッドブル・レーシングに加入し、日本GPに出走することが決まった。突如の移籍であり、厳しいこともあろうと思うが、彼にはこの絶好のチャンスを活かして欲しい。

田中 健一

編集: 2025/07/23 3:34

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Yuki Tsunoda

Yuki Tsunoda

写真:: Red Bull Content Pool

 角田裕毅のレッドブル・レーシング入りが決まった。皆さん色々なご意見があろうが、日本人ドライバーのF1トップチーム加入は歴史上初めて。ここは祝うべきだろうと思う。

 今季の角田はレーシングブルズのマシンを走らせ、予選では2戦連続でQ3に進出。決勝レースでも、戦略ミスにより入賞は叶わなかったものの、それまでは常にベスト・オブ・ザ・レストの位置を走った。中国GPのスプリント予選とスプリントでも速さを見せた。

 一方で角田との”昇格争い”に勝ち、今季のレッドブル・レーシングのシートを掴んだリアム・ローソンはまさに散々の結果である。ここまで3回行なわれた予選/スプリント予選で18番手、最下位、最下位と、まるでパフォーマンスを発揮できていない。

 ローソンはFIA F2やスーパーフォーミュラ、そして昨年まで2年間乗ったF1での成績を見ても、決して遅いドライバーではない。むしろ優秀なドライバーである。そんなローソンがここまでの苦戦を強いられるとは、驚きでもあった。

 しかしその一方で、チームメイトであるマックス・フェルスタッペンとの差が大きすぎる。少なくともフェルスタッペンは表彰台〜トップ5を争っているのだから。昨年いっぱいで、セルジオ・ペレスが成績不振により契約を解除された。しかし今季のローソンは、ペレスの成績ですら輝いて見えるほどの不調である。

「わずか2戦でシートを奪われるなんて……」

 そうローソンに同情する声も聞かれるが、さすがにこの成績では、致し方なしというところであろう。

 一方で角田にとっては、好調なレーシングブルズを離れ、ローソンが苦しんだレッドブルに加入するのを不安視する声もある。レーシングブルズのまま走り続けた方が、良い成績を残せるのではないかと。

 しかし前述の通り、フェルスタッペンのパフォーマンスは、一昨年の圧倒的なものではないものの、トップチームの一角のそれであるのは間違いない。そのフェルスタッペンと同じマシンに乗れるなど、まさに絶好のチャンス。匹敵するようなパフォーマンスを発揮できれば、角田の評価はグッと上がるはずだ。

 確かにリスクはある。しかしそのリスクを恐れていたら、先に進めない。

 角田はF2に参戦する前、我々のインタビューに次のように語っていた。

「僕には誰よりも速く走りたいという思いがあります。僕の最大の野望は、ミハエル・シューマッハーが持っているタイトル獲得記録(7回)を塗り替えることですね。そういった野望が全て達成されるまで、僕のモチベーションが尽きることはないと思います」

 茨の道であるかもしれないが、彼の野望への次なる一歩が、2025年のF1日本GPになるのであろう。

 そしてこれは、我々日本のF1ファンが長く望んでいたことでもある。これまで数々の日本人ドライバーがF1に挑んできたが、決勝レースでの最高成績は鈴木亜久里、佐藤琢磨、小林可夢偉の3位。我々は、いつしか表彰台の中央に日の丸が上がり、君が代が流れる日を待ち望んできた。

 角田がレッドブルRB21をうまく走らせることができれば、我々が待ち望んできたそんな瞬間が現実のものとなるかもしれない。みんな、それを観たいよね?

 日本GPでは、現地鈴鹿サーキットで観戦される方も、お台場などパブリックビューイングでご覧になる方も、そしてDAZNなどでご覧になる方も、ぜひ角田に声援を送ってあげてほしい。

 厳しいシーンもあるかもしれない。でもそんな声が、きっと彼の背中を押すことになるだろう。

 角田はレッドブル移籍が正式に発表された後、自身のSNSにひと言こう綴った。

「挑戦への覚悟はできている」

 頼んだぞ。

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