【新世代F1、注目しておくべき7つのこと:4】アストンマーティンとホンダは苦境に……本領発揮には時間がかかる?
アストンマーティン・ホンダは、大きく苦戦している。本領発揮までには、長い時間がかかりそうだ。
Fernando Alonso, Aston Martin Racing
写真:: Guido De Bortoli / LAT Images via Getty Images
プレシーズンテストでの最大の敗者は、アストンマーティン・ホンダだ。ただサウジアラビアで行なわれたチームのシーズン開幕イベントの際に、既にそういう声が聴かれていた。
「メルボルンでの我々の立ち上がりは重要ではない。重要なのは、我々の開発能力とシーズン後半だ」
チームは当時、そう語っていた。そしてバーレーンのテストで、なぜそういうメッセージが発信されたのかが明らかになった。チームにはまだ、やるべき仕事がたくさんあるのだ。
バーレーンでのテストでは、アストンマーティンは満足に走れなかった。特に後半日程の3日間では、ホンダのパワーユニット(PU)にトラブルが頻発。最終日にはパーツが足りないということもあり、わずか6周しか走れなかった。
ホンダは、昨シーズンまでHRC(ホンダ・レーシング)を介してレッドブルにパワーユニットを供給してきたが、一旦は2021年限りでF1を撤退した立場。その際、それまでF1用PUの開発を担当してきたスタッフが他分野の研究開発に移動した。海外ではこのタイミングでF1に関する知見が失われ、ゼロからプロジェクトを立ち上げ直したことで、今回のトラブル頻発に繋がったのではないかと見る向きもある。レッドブル時代にPUを供給していた時とは状況がまるで違うと。
確かに2021年にF1を撤退した際に、様々なスタッフがF1プロジェクトを離れたのは事実である。しかしF1に関する知見が失われないように、以前は本田技術研究所が担っていたF1プロジェクトを、HRCというレース専門会社に移管する形とした。今年からも、ホンダとしてのF1参戦ではあるものの、研究・開発は昨年までに引き続きHRCで担っている。2026年向けの開発も、ほぼ途切れることなく続けられてきた。今季から使用が義務付けられる持続可能燃料に関する知見も、2021年の段階で一部実戦投入したし、ホンダジェットなど航空機分野での実証実験も含め、他メーカーよりも一歩先んじているはずだ。
まだ多くが語られていないため、苦戦の原因を断言することはできないが、PUの完成度の面で大きく遅れているのであれば、実に不可解であることこの上ない。
なおアストンマーティンは昨年まではPUと共にメルセデスからギヤボックスの供給も受けてきた。しかしホンダPUを使うことになったため、ギヤボックスも初めて自社製造することになった。その複雑さは、当然あるだろう。
またエイドリエン・ニューウェイが認めている通り、今季マシンAMR26の開発に着手した時期が、ライバルよりも遅かった。ニューウェイと新しい風洞が稼働を始めたのは、2026年用マシンの開発が解禁された2025年の1月1日ではなく、そこから4ヵ月ほど遅れてからだった。このことは、状況の悪化に繋がったことだろう。
ニューウェイ、ホンダ、そして完成したばかりのシルバーストンの超近代的なキャンパス……アストンマーティンには、成功するために必要な要素が全て揃っているように見える。しかしプレシーズンテストで明らかになったのは、このプロジェクトが実を結ぶまでには、おそらくかなり時間がかかるということだ。
さて、今年45歳になるフェルナンド・アロンソには、その時まで待つだけの時間があるだろうか?
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