安定性欠くヤマハ。ロッシ「バイクの改善には”本格的な”テストプログラムが必要」
バレンティーノ・ロッシは、問題を抱えているヤマハのバイクを改善するためには、良いテストチームを組織するだけでなく、本格的なテストプログラムを組む必要があると語った。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ヤマハは今季のMotoGPにおいて、13レース中7勝を挙げ、メーカーとしては今季最多勝を誇っている。しかし、そのうちの3勝は、Aスペックと呼ばれる昨年型のバイクを使用したフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が記録したものだ。
モルビデリのチームメイトで、最新型のバイクを使用するファビオ・クアルタラロも同じく3勝しているものの、優勝以外に表彰台を獲得できていない。ヤマハ・ファクトリーチームのマーベリック・ビニャーレスも、エミリア・ロマーニャGPで優勝した以外は、表彰台獲得2度と安定した結果を残すことができていない。ツボにハマれば速いが、安定性がない。そんな状況にヤマハは陥っているのだ。
新型コロナウイルスに感染した影響で2レースを欠場するなど不運に見舞われたこともあって、表彰台獲得は1度のみに留まっているバレンティーノ・ロッシは、ヤマハが2020年のバイクを理解する上で最も大きな障害のひとつが、ヨーロッパを拠点としたテストチームが稼働していないことだと考えている。
「まず、(ヤマハには)基本的な問題がある」と、ロッシは語った。
「2020年までは、他のどのチームもヨーロッパでヨーロッパのライダーが走行する、とても活動的なテストチームを持っている。(ドゥカティのミケーレ)ピッロや(KTMのダニ)ペドロサ、(ホンダのステファン)ブラドルのようなライダーだ」
「一方ヤマハは、そういったチームを持っていない。日本のテストライダーたちが日本で走っていたんだ。最大の問題は、彼らがヨーロッパのコースとは全く関係のないコースを走ってきたことだ」
ヤマハは昨年、かつてテック3・ヤマハでMotoGPを戦ったジョナス・フォルガーを起用し、ヨーロッパを拠点としたテストチームを整えたが、2020年に向けてはフォルガーが離脱し、ヨーロッパと日本のテストチームを統合した。
さらに、昨年限りで現役を引退したホルヘ・ロレンソもテストライダーとしてヤマハに加入したが、新型コロナウイルスの影響でテスト計画は台無しになってしまった。結局、ロレンソは2019年型のバイクに4度乗ったのみだ。
2021年はロレンソがチームを離れ、現LCRホンダのカル・クラッチローがヤマハのテストライダーに就任することが決まっている。ロッシは、現ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾのテストライダー就任を第一希望としていたものの、クラッチローが加入することを歓迎しているようだ。
「ヤマハは来年、ヨーロッパで本格的なテストチームを作る必要がある」と、ロッシは付け加えた。
「ドヴィツィオーゾがテストライダーとして加わってくれることを期待していた。彼はとても速くて経験豊富で、感覚が鋭いライダーだからね」
「クラッチローも今年までレースをしているから、彼にモチベーションがあれば、バイクを極限まで引き上げてくれると思う」
「テストライダーよりも、僕たちには本格的なテストプログラムが必要なんだ」
KTMの躍進は今シーズンのMotoGPのトピックのひとつだが、それは昨年テストライダーに就任したペドロサが率いる強力なテストチームの功績だと考える者も多い。また、2017年からスズキのテストライダーを務めるシルヴァン・ギュントーリが、今季のスズキとジョアン・ミルのダブルタイトル獲得に貢献していると称賛されている。
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