コーナーに”バンク”がないから、アブダビGPは退屈? オコンの提言
ルノーF1のエステバン・オコンは、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットのいくつかのコーナーに小さなバンクをつけることができれば、より面白いレースが展開されることになると信じている。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
ここ数年、F1の最終戦を開催してきたアブダビのヤス・マリーナ・サーキット。最新の設備を備えるこのコースは大変美しいが、そのレイアウトについては批判の声も多数上がってきた。
2010年には、当時フェラーリに乗っていたフェルナンド・アロンソが、はるかに遅いヴィタリー・ペトロフの後ろに引っかかってしまい、目前まで迫っていたチャンピオンをセバスチャン・ベッテル(当時レッドブル)に奪われてしまった。
その後の年でも、長い直線を2本備えているにもかかわらず、オーバーテイクが難しいことで知られている。
今季の最終戦もその例に漏れず、オーバーテイクが難しかった。そのため、ルノーのダニエル・リカルドらが批判。リカルドは「レイアウトを変更するべき」だと語った。
そのリカルドのチームメイトであるエステバン・オコンは、いくつかのコーナーにバンク角をつければ、レースをエキサイティングなモノにできるはずだと考えている。
「とても退屈だったと聞いた」
そうオコンは語った。
「オーバーテイクは非常に難しかった。それはとても明らかなことで、最後のセクターでは、前のマシンについていくのがとても難しかったんだ」
「全ての、低速のバンク角のないコーナーでは、マシンのグリップが本当に必要だ。それが、オーバーテイクするための鍵だ」
「コーナーはほとんど全てがオフキャンバー(逆バンク)なんだ。少しでもバンクがついていると役立つんだろうけどね。本当に(アウト側に向けて)スライドしてしまうんだ」
「確かにチャレンジングだけど、前のマシンを追いかけるのにはあまりよくはないし、それを難しくしている。もっと良いレースができると確信しているけど、それには何らかの仕事をすることが必要だ」
このオコンの主張は、9月にムジェロで開催されたトスカーナGPによって裏付けられている。同サーキットは二輪レースを多く開催しているもののF1は初開催。そのためオーバーテイクが難しく、大行列のレースとなるのではないかと予想されていた。
しかしムジェロにはバンクのついたコーナーがあったため、ドライバーたちは様々なラインを取ることができ、今年のレースの中でも特に動きの多いレースとなった。
マクラーレンのカルロス・サインツJr.は当時、「F1が新たなサーキットを作るにあたって、バンクがついたコーナーから離れた理由が分からない」と語っていた。
「ロシアやアブダビは、かなり退屈なレースを生み出している。バンク角のないコーナーが多いんだ。でもここ(ムジェロ)では、ドライバーが複数のラインを通ることを可能にする、大きなバンクがあるんだ」
「それにより、前のクルマの乱流を避けることを可能にし、それが良いショーと良いレースを生み出すことに繋がるんだ」
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